2023年4月15日土曜日

判例裁決紹介(令和3年7月13日裁決、一時所得における営利性)

さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は、令和3年7月13日裁決で、一時所得における営利性が争点となった事例です。 具体的には、本件は請求人はモーターボードの投票券による払戻に関する所得につき、一時所得であるのか雑所得であるのかという所得区分が課題となった事例である。いわゆる競馬事件の一連のものが近年多数の事例がでてきているものであるが、本件もその類型の一つと言えよう。個人的には世の中にはこんなにギャンブルを多額の金額で(本件でも数億円単位)行っている人がいるんだというのが、まずは、本音なのだが、本件も従前の例と特段差がないものではあろう。本件においては一時所得の要件である営利性を目的とするという点が、主たる争点となっているものであり、かかる点を検討する上で良い素材となるだろう。 (一時所得) 第三十四条 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。 2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。 3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。 本件では課税庁の主張として、この所得収入の具体的な構造がわかる書類が保存されていないという点から一時所得該当性を主張している【立証責任の転換ともいえようが】が、判断では偶発性という部分を検討の素材として、また納税者の主張から通常の投機的な行為と差がないということで一時所得を認定する流れとなっている。偶発性を基礎とするのは、一時所得の本来の趣旨から妥当なアプローチであると考えられるが、立証責任のようなアプローチではなく、事実関係をもとにした法的判断を下している点は特徴的であろう。 以上です。毎度のごとく備忘録として作成しているので完成度は低いですが参考までに

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