さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は平成30年3月15日裁決で、外注費の計上が架空であり、重加算税の賦課決定処分が行われた事例です。
具体的には、除染等の事業を営む請求人(法人)が支払ったとした外注費につき、雇用者への支払い、給与を外注費に振替、また架空の計上を行っていたとして、かかる外注費の計上を否認し、法人税及び消費税の更正処分を行い、かかる仮想隠蔽の事実の存在から重加算税の賦課決定が行われたことにつき、一部外注費の実在性等を巡って不服を申し出た事例である。
外注費は、その契約形態、背景にある民事法の契約等の関係を下に、消費税の計算上等の理由から、よく租税法務における計算上、問題となるケースが多いものであり、特に給与支払いとの区分が問題になる事例が多いものである。この点は実務上は、よく検討される項目ではないだろうか。本件は外注費という支払いと直接的な給与等での支払いによる租税負担への影響を鑑みた、典型的なケースであり、雇用者への支払いを一部外注費に振替、外注契約書を作成し、外形的な状況を装うことで、その外注費の計上を図った事例であある。事例としては特段法令解釈として珍しいものではなく、事実関係としても外注費の計上を外形的に装った事例として、ティーチングケースとなるべき事例あるように捉えられる。特に仮想隠蔽の事実関係を立証すべく、詳細な契約等の事実関係の評価を行っており、如何なる点をもって外注費と給与の区分、契約の評価を行っているのか、架空計上を認定しているのかという点を検討する上では参考になる事例であるように評価される。
特に本件では、外注契約を作成しつつも雇用者として勤務する者への支払いを、分割する意図があり、このような比較的に稚拙な二重契約の存在は、近年は減少傾向にあるものと考えられるが(このようなわかりやすい行為は流石にお目にかかることは少ないだろう、この点は実務家に現状を聞いてみたいところ)、外注費の租税負担への影響を鑑みるに特に消費税の税率アップを控えている現況下においては、外注費に関してはより留意されるべきものがあるという点は改めて認識される必要があるのではないだろうか。
以上です。毎度のごとく備忘録として作成しているものですので完成度は低いですが参考までに。
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