2019年4月30日火曜日

判例裁決紹介(平成29年11月20日裁決、交際費等と情報提供料の区分)

さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は、平成29年11月20日裁決で、法人が支払った工事受注に関する紹介料が交際費に該当するのか否かが問題になった事例です。

具体的には、本件は建設業をいとなむ法人である請求人が、工事請負契約の受注にあたり、支出した紹介料が交際費に該当するのか否か、あるいは情報提供料として、交際費等から除外されるべきものであるのかという点が争点になっている事案である。その他、諸手続、使途秘匿金への該当、反面調査による調査手続きの違法性等が関連論点として問題になっているものと捉えられる。

交際費として該当するのか否かという点は、法人税法において損金計上を認容するのかという点に直接的に関わるものであり、その該当性に関しては、非常に多くの事例が存在している。本件もその類型に属するものであり、解釈論としては交際費等の意義として下記のようにいわゆる万有製薬事件における3要件説を採用して判断しているものであり、近年の裁判例と整合的である。ただし、本件では情報提供料としての区分をもって交際費等から除外することが可能であるかどうかという点が起点となっているものであり、かかる点においては特徴的な判断であろう。情報提供料に関しては、通達において明記されているものであるが、詳細な事例は少なく、本件のように、工事請負契約における紹介料のようなケースは、ごく一般的なものであり、かかる点においても、詳細な事実認定を行っており、特に、その支出の意図が基本的な課題とされている点等は、参考となるものであるように捉えられる。情報提供に関しては、無形物のやり取りであり、客観性が確保される可能性が低く、租税法規においてどのように捉えるべきであるのかという点は課題であろうが、特にICTの発達により、定型的なものではなく、コンサル等の無形物のやり取りが活発化する中で、交際費との区分は今後増加傾向になるのではないだろうか(この点に関しては、実務家の意見も聞いてみたいところ)。


(交際費等の損金不算入)
第六十一条の四 法人が平成二十六年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の百分の五十に相当する金額を超える部分の金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

4 第一項に規定する交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下この項において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)をいい、第一項に規定する接待飲食費とは、同項の交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第二条第十五号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。第二号において「飲食費」という。)であつて、その旨につき財務省令で定めるところにより明らかにされているものをいう。
一 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
二 飲食費であつて、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用
三 前二号に掲げる費用のほか政令で定める費用

以上のように、本件の中心的な争点は、当該紹介料が交際費等から除外される情報提供料に該当するのか否かが課題となっているものである。本件判断では、下記のように、交際費の要件として3要件説を採用している。かかる点は従前と整合的なものであろう。中心としては当該支出の目的がいかなるものであるのかという点が本件における特に情報提供料との区分において重要視されている。いわば、情報等の入手と主たるものとして支出したものであるのか、交際等を図るものであるのかという区分が基礎となっている。しかしながらこのような情報提供は無形物の提供であり、必ずしも外部者にとって明示的なものではなく、確定的なものではない。実際的にもこの量目的を区分することは必ずしも容易ではないであろう。


「このような措置法第61条の4第3項の文言や、「交際費等」が一般に支出の相手方及び目的に照らして、取引関係の相手方との親睦を密にして取引関係の円滑な遂行を図るために支出するものと理解されていることからすれば、特定の費用が同項の交際費等に当たると判断するには、①「支出の相手方」が事業に関係ある者等であり、②「支出の目的」が事業に関係ある者等との間の親睦の度を密にして事業の円滑な遂行を図ることであるとともに、③「行為の形態」が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であることの三要件を満たすことが必要であると解される。」

本件判断の基礎なった通達においては、下記のようにその区分に関して、金銭等の支給に関して対価となるべきものが明確である、従って対価関係が想定されうる場合において、その区分、交際費からの除去を認めている。交際費は、その要件として、目的が饗応等であることが重視されており、その概念として、具体的な支出と成果、対価との因果関係が期待されていないものと考えられる(この点はその要件の整理として、より検討が必要であろう)。かかる点を前提として対価としての関係が認定されうるものであれば、交際費から除外しても箚しつけないとの判断があるものであろう。本件は裁決であり、基本的に通達の処理が前提とされているものであるが、内心の意図や目的にその起点をおく交際費等と対価関係という支出との因果関係に基礎を置くものを情報提供料として区分している趣旨であろう。法令解釈として、交際費が対価関係を要求するものではないという判断は従来の3要件説等の判断では、特に検討されていない点であり(この依拠すべき点はどの法令に基づくものであろうか)、ましてや情報等の無形物の提供において、明確に対価関係を把握することは困難であろう。

情報提供料等と交際費等との区分)

61の4(1)-8 法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供(以下61の4(1)-8において「情報提供等」という。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員等を除く。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件の全てを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により追加、平19年課法2-3「三十七」、平23年課法2-17「三十」、平28年課法2-11「三十一」により改正)
  1. (1) その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
  2. (2) 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
  3. (3) その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
    (注) この取扱いは、その情報提供等を行う者が非居住者又は外国法人である場合にも適用があるが、その場合には、その受ける金品に係る所得が所得税法第161条第1項各号又は法第138条第1項各号に掲げる国内源泉所得のいずれかに該当するときは、これにつき相手方において所得税又は法人税の納税義務が生ずることがあることに留意する。
このような情報提供の性質を鑑みて、上記通達では、対価関係の認定においては、契約の存在を基礎としており、本件においても契約の不存在が実際的な判断の基準となっているようである。かかる点は実務上もいかなる所以をもってこのような契約の存在が要求されているのかという点はより認識されるべきであろう。

しかしながら、上記のような交際費の解釈、他費用との区分は、交際費の基本的な趣旨が冗費濫費の防止を強く要請された状況下と、現状において、実質的にその範囲を縮小させ、基本的な性格が変容しつつある交際費等の変遷において、どのような影響を受けるものであるのだろうか(影響の有無も含め)。

以上です。毎度のごとく備忘録として作成しているものですので完成度は低いですが参考までに。

2019年4月23日火曜日

判例裁決紹介(平成29年10月17日、ポイント付与と債務確定)

さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は、平成29年10月17日裁決で、下記のように3月に送ったものと基本的に同様ですが、商品売買におけるポイントの付与とかかる費用の損金計上時期を如何なるものとして捉えるべきであるのかという点が問題となった事例です。

具体的には、本件は商品売買に関する事業を営む法人が請求人となり、商品を販売した折に、顧客に対して付与したポイントに関する費用につき、顧客が商品を購入し、規約に基づき、ポイントを付与したタイミングをもって損金計上をなした申告を行ったところ、課税庁は、この付与時点は、未だ債務が確定されておらず、もって損金として計上はできないとして損金計上を否認している事例である。基本的には、下記のように、前回送付した事例と大きな相違はなく、課税庁の主張及び判断においてもポイントの付与段階ではなく、実際に顧客がポイントを使用した段階まで、損金計上を否定している点では共通している。若干、規約やポイントの性質、仕様等は異なるものであるが、法人税法における損金計上を如何なるタイミング(この点に関しては、法人税法における古典的な論点であるが)と商品売買におけるポイントとを関連させるべきであるのかという点においては、本件及び前回事例を対比が参考となるものであるのではないかと捉えられる。下記のようにポイントが付与される取引は、非常に多様化しており、本件及び前回の事例が一般化されるべきであるのかという点はより検討が必要であろうが、債務の確定との関連、及びこの債務の確定を具体的に判断する上で、参考となるべき事例であるように捉えられる。また、商品券や未払費用等ポイントを租税法規において如何なるものとして捉えるのかという点も実務上は参考となるのではないだろうか。


「法人税法第22条第3項第2号は、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当「該事業年度の損金の額に算入すべき金額について別段の定めがあるものを除き「当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額」と規定しており、基本通達2-2-12は、当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、当該事業年度終了の日までに、①当該費用に係る債務が成立していること、②当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること、③その金額を合理的に算定することができるものであることの三要件の全てに該当することを要するものとしている。法人税法第22条第3項第2号にいう債務の確定の判定基準として、当該通達の内容は、課税の公平を図り、所得計算は可能な限り客観的に覚知し得る事実関係に基づいて行われるべきであるという観点から見て合理的で妥当なものというべきであり、当審判所においても相当と認められる。」
以上のように、本件は、いわゆる購入特典としてポイントが付与される取引に対して如何なるタイミングをもって損金計上を認められるべきであるのか、という点が問題になっているものである。上記のように本件判断では、当該ポイント費用が債務確定を要する費用であることは特段争いがないものであり、実質的には、通達の内容に適合しているのかという点が中心的な争点となっている。この点は下記のように前回配布の事案と基本的に同様の判断枠組みであり、ポイント付与するとした規約に基づき、事実関係が争いが行われているものである。すなわち債務の確定とは如何なる段階をもって充足しているものと判断されるのか、債務確定を如何に解するのかという点が起点となっているものである。両事案とも裁決であり、当然ながら基本的には基本通達の内容を判断の素材としている。この解釈が妥当であるのか否か、その根拠が如何なる所以をもっているのかという点が、あるいは債務の確定をどのような趣旨を有するものであるのか、という点が問としては検討される必要があろう。公平性を基礎としているようでもあるが、客観性を担保することで、その事実関係が確定してことで安定した、予測可能性を担保することが租税法規の基本的な要請に合致しているという判断の根拠であるのであろうか。私見としてはかかるような判断が一定の合理性があるように捉えられる。そもそも債務の確定とはいかなる状況を指すべきであるのかということは必ずしも個別の案件においては自ずと定まるものではないのではないだろうか。

より具体的には、納税者が主張するポイントの付与時をもってその計上のタイミングとすべきであるのか、あるいは、ポイントを利用する(商品購入に充当する)タイミングをもって認定されるべきであるのかという点が課題となっており、債務確定主義との基本的ルールとの対比においていずれかより合理的であるのかという点が評価されていることなるだろう。詳細においては、 債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生という通達における判断が各タイミングにおいてどちらが充足しているのかという点が本件では課題とされている。ポイントは商品購入への充当以外にも、一定の累積により商品とも交換できるような状況(最終的には時の経過により消滅するもの)であり、この給付関係が不安定であるとの判断が本件の基礎として、実際に顧客が選択できる状況を通過し、交換が確定した段階をもって上記のような確定した段階にあるものと評価されているのであろう。納税者からの利用の申出がない限り、売上の減少やコストの発生のような効果は生じていないものということが判断の根拠になっていることは留意されるべきであろう。租税法規は、このような選択の余地があることを忌避することは、よく観察される状況であろうが、規約・契約によって顧客と法人はその将来的な負担が確定しており、請求により何らかの費用の発生することが保証されている状況をもって債務が確定していることは評価することは困難なものであるのだろうか。契約によって負担の存在が明確であるとも評価しうるとの見解もあり得よう。この点は債務の確定という法文の解釈において、如何なるものが要請されているのかという点を鑑みることが重要であるように考えられる。

なお、請求人の主張では、収益との対応関係をより対応を取るべきとの主張を行っているが、かかる点は会計原則の要請であり、法人税法においても適正な期間計算の要請は強く働いているものでもあろうが、かかる点はおそらく公正処理基準を通じて検討されるのであろうが、法文は損金において明文をもって債務の確定を要請しており、かかる判断の枠組みにおいて判断が行われていることは両事案とも相違がないことは強調されるべきであろう。

以上です。毎度のごとく備忘録として作成しているものですので、完成度は低いですが参考までに。


参考:3月分
さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は平成29年3月1日裁決で、請求人が商品購入に伴い付与したポイント付与が損金計上が認められるべきか否か、その具体的なタイミングはいかなるように判断されるべきであるのかという点が問題になった事例です。

具体的には、ポイントを商品の購入者に対して付与している請求人が期末現在のポイント額増加額を、売上のマイナスとして処理している点において、当該マイナス処理を行うため必要な、損金としての要件、すなわち債務が確定していないとして、損金計上を認めないとした事例である。最終的には、課税庁の主張が認められ、期末時点では未だ損金として認められない、ポイントとしての債務の確定が行われていないとして請求人の売上からのマイナス処理を否認している事例である。本件では、請求人の処理のように、未払金処理としての、ポイント費用の計上(売上控除)が認められるのではないか(金品引換券の交付と同視)という国税庁の税務大学校の論叢での記述に基づいている点も、粗税法規における信義則の適用において、かかる論文が信義則の適用の要件を認めているのかという点も争点となっている。本件は近年利用が急増している商取引におけるポイントの付与が如何なる基準によって確定し、もって損金として確定するものであるのかという点を争点としたものであり、多用なポイントの付与が見受けられる状況下において、最近は時の経過やアプリの利用、はてはて健康状況、万歩計的なものまでもポイント付与の対象となっている状況であり、シェリングエコノミーなどの発達により個人間での取引の増加やポイントと決済手段との間での相違など(最近流行りのなんとかペイなどはどのような位置づけで租税法規において捉えるべきであろうか)、多様なポイントの性格、付与条件、利用条件(私見ながら期間限定など忘れがちなものがあります)、において一律と捉えるべきではなく、本件判断が先行事例として、ポイント付与における債務確定を判断する上で参考となるのかという点は更に検討が必要な状況であろうが、債務の確定が中心的な争点となっており、法人税法における基礎概念としてどのように解されるべきであるのかという点においても参考となるだろう。

法人税法は、下記のように、22条3項において、損金としての算入すべき金額を定めている。本件で問題となっているものは2号におけるいわゆる一般経費であり、債務の確定を要請されていることが、問題の起点となっている。すなわち、法人税法における算入基準としては、この債務の確定が要件として中心的な昨日を果たしていることが明文をもって担保されている。5項における公正処理基準や別段の定めも存在しているが、一般的な規定としてかかる債務の確定が重要視されるものと解される。

3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

この債務確定とはどのようなものであるのかという点に関しては、以下のように法人税法基本通達において、指針が示されている。

(債務の確定の判定)

2-2-12 法第22条第3項第2号《損金の額に算入される販売費等》の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。(昭55年直法2-8「七」、平23年課法2-17「五」により改正)
(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。
本件判断も上記を基礎として、以下のように法令解釈を示している(裁決である以上当然でもあるが)。この法令解釈がどのような点を根拠としているのかという点は必ずしも明らかではなく、判断でも課税の公平性や客観的に認識できることを要請していることが、見て取れるのみであり、金額の合理的算定など、給付原因事実の発生など、必ずしもその具体的な意義が明らかとは評価し難いとの評価もありうるところである。債務確定が如何なる趣旨を有しており、合理的な金額の算定等をもって、適用範囲の減少等が図られるものであるのか、あるいは、債務確定の意義を広義に解釈して柔軟性を持たせることが可能であるのかという点も検討されるべき点であろう。3要件すべてを満たすことが法的な枠組みとして強く主張されている点は債務確定の意義を考える上では、参考となるべきものと考える。
法人税法第22条第3項第2号は、内国法人の各事業年度の所得の金額の計 算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額について別段の定めがあるものを除き「当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額」と規定しており、基本通達2-2-12は、当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、当該事業年度終了の日までに、①当該費用に係る債務が成立していること、②当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること、③その金額を合理的に算定することができるものであることの三要件の全てに該当することを要するものとしている。法人税法第22条第3項第2号にいう債務の確定の判定基準として、当該通達の内容は、課税の公平を図り、所得計算は可能な限り客観的に覚知し得る事実関係に基づいて行われるべきであるという観点から見て合理的で妥当なものというべきであり、当審判所においても相当と認められる。

最終的に本件判断は、以下のように本件の事実関係を当てはめ、具体的な給付原因の事実関係が未だ充当等の行われた段階まで保留されていると判断し、債務確定の成立を否定している。

本件ポイントを付与された顧客は、本件ポイントを商品等購入金額に充当すること、又は一定のポイント数に応じた景品等と交換することができるとしても、充当又は景品等との交換が行えるのは、次回以降の会計時となる。したがって、本件ポイントの使用に要する費用については、顧客の本件ポイントの使用時である商品 等購入金額への充当又は景品等を交換した時に初めて具体的な債務が確定するというべきであり、本件ポイントの付与時において具体的な給付 原因となる事実が発生しているということはできない。

いわば、給付原因の発生をもって、その成立を検討しているものであり(金額の合理的算定や債務の成立は問題となされていない)、債務確定の上記法令解釈を前提とするならば、ポイントの付与は多様は形式を取りうるものであるが、本件の判断は、ポイント付与と給付事実関係の判断、契約関係から、裏付けられるものとして、判断を行っている点は参考となるべきものと捉えられる。

以上です。毎度のごとく論文stockとして作成しているものですので完成度は低いですが参考までに。


2019年4月15日月曜日

判例裁決紹介(平成30年3月29日裁決、相続税申告における更正の予知)

さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は平成30329日裁決で、相続税申告における相続開始直前における預金引き出しとそれに伴う申告漏れが意図的であり、重加算税の適用対象となるのか否か、そして、調査官による事前通知、日程調整による電話確認によって修正申告が更正の予知があって行われたものであるのかという点が争点となっている事例です。

具体的には、複数の相続人(これらがすべて請求人)いる場合において、その一人が相続開始直税において、被相続人の預金口座から資金(約1000万)を引き出し自己名義等の口座に入金していた事例において、調査官による事前通知後、修正申告を行った場合、かかるような行為が、財産申告漏れに関する仮想隠蔽を図ったものであるとして、重加算税の賦課対象となるべきか否か、及び、事前通知の後に修正申告を行っているものであるが、事前通知後の日程調整の確認電話において、調査官が行った修正金額の確認によって当該修正申告が更正を予知した結果行われたものであるのか否かという点が主たる争点となっている事例である。他にも広大地評価の適用も問題となっている。

事実関係としては、実地調査に関する事前通知の前に、調査官においては内部調査を行い、口座による引き出し、財産申告漏れを把握していた状況であり、また、遺産分割協議では、特段かかる引き出し額は問題とされていなかったような状況であり、また申告を代理する税理士も、預金の残高証明のみを求め、預金の出納状況をチェックしていなかった(この点は重加算税における賦課決定の回避が図られた要因の一つと捉えられる)ような事実関係にある。最終的な判断としては、課税庁の主張を排斥し、いずれも納税者の主張を認め、過少申告加算税及び重加算税の賦課を排斥している点において、本件は珍しい事例であり、実務的にも参考となるべき事例であるように捉えられる。民法の改正により変更の可能性は高いが、被相続人の口座が相続開始によってクローズされることは従来から相続実務においては、特段珍しいものではなく、請求人の行為もおおいに想定される事例であろう。実務においては、口座等の資産の動きを把握することは当然の行為でもあろうが(おそらく)、かかる行為の不備により(本件では上記のように、税理士は確認していない)、申告漏れや重加算税の可能性が発生することは、留意されるべきものとして認識されるだろう。また、本件においては最終的に相続人のうち、一人の行為が問題とされたものである(結果としては問題が少ないものと評価されたものの)が、必ずしも相続人の一人が誠実であるとは限らず、背信的な意思を有している場合もあろう。このように複数の相続人が存在する単独の納税者の行為は、他の相続人にも影響を及ぼすものであり、相続人間の問題であるのかもしれないが、相続税の負担を巡っては、連帯納付も含め、相続人全てにおいて影響を及ぼすものであり、かかる点の認識も相続税実務においては認識されるべきものではないだろうか(必ずしも相続人の行為が相互に把握されているわけではないであろう)。

(過少申告加算税)
第六十五条 期限内申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第七項の規定の適用があるときを含む。)において、修正申告書の提出又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき第三十五条第二項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。
 (最新法令)本件のおける時点では平成28年改正前
5 第一項の規定は、修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合においてその申告に係る国税についての調査に係る第七十四条の九第一項第四号及び第五号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる事項その他政令で定める事項の通知(次条第六項において「調査通知」という。)がある前に行われたものであるときは、適用しない。

以上のように本件の中心的な争点は、申告漏れの発生した財産額に対して、事前通知の後行われた修正申告につき、更正が行われることが予知されるべきものであったか否かという点が問題となっている事例である。かかる予知の認定は、上記のように、過少申告加算税の賦課を回避する要件であり、その充足は如何なるものとして判断されるべきものであるのかという点は従来より課題とされている点であろう。本件もその類型に属するものであり、近年は国税通則法の改正により、実地の調査における前提として事前通知が義務化されたこともあり、かかる点における影響として予知における認定においてどのような変化が発生しているのかという点は検討課題となるのではないだろうか。

「過少申告加算税の制度は、過少申告により納税義務に違反した者に加算税を課することによって、当初から適正に申告した納税者との間の客観的不公平の 実質的な是正を図るとともに、過少申告による納税義務違反の発生を防止し、適正な申告納税の実現を図り、もって納税の実を挙げようとする行政上の措置 である。一方、通則法第65条第5項は、過少申告がされた場合であっても、その後修正申告書の提出があり、その提出が「その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき」は、過少申告加算税を賦課しない旨規定しているところ、これは 、課税庁において課税標準を調査する等の事務負担等を軽減することができることも勘案して、自発的に修正申告を決意し修正申告書を提出した者に対して は例外的に加算税を賦課しないこととし、もって納税者の自発的な修正申告を奨励することを目的とするものと解される。 上記の通則法第65条第5項の趣旨からすると、修正申告書の提出が、「その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正が あるべきことを予知してされたものでないとき」に該当するか否かの判断に当 たっては、調査の内容及び進捗状況、それに関する納税者の認識、修正申告に至る経緯、修正申告と調査の内容との関連性等の事情を総合考慮して判断するのが相当である。」

本件判断では、上記のように過少申告加算税の趣旨及び、予知の趣旨目的から、調査の内容等を総合判断して、予知の認定を行っている。かかる点は、従前と整合的なものであろうが、事前通知や日程調整などのため電話連絡を行っている際に出た修正申告の申し込みに対して修正額を調査官が問うた行為が予知を促すものであったのかという点が問題となっている。納税者側の事情というよりは課税庁の行為と納税者の内心に関するものの対応を検討するものであり、認定は困難が予想されるものである。ただでさえ、予知とは納税者の内心を起点とした概念であり、その判断を行うことは外形的な事情によることは安定性を確保することは困難なものであろう。予知をどの程度行っているべきであるのか、具体的な更正項目を予知している必要があるのか等、具体的な予知の判断枠組みは検討課題となるのではないだろうか。事実関係としても最終的には上記のように、課税庁の調査官の電話応答での質問は、金額の確認行為であり、具体的に更正を予知させるものではないとの認定を行っている点は、参考となるのではないかと捉えられる。

事前通知が法定化され、従前と異なる予知の解釈が整理されることもあり得ようが、本件のように旧法の状況においては、事前通知と予知の関係はどのように考えられるべきであるのか、例えば必要性が開示される事前通知(この程度も千差万別であるだろうが)であれば一定程度予知が成立する予知があるのではないかとも考えることもできよう。かかる点において立法において、現行法においては上記のように予知に加えて、事前通知の未了が要件とされることにより、予知と事前通知の関係に関しては、整理が行われている。このように考えるならば、今後は、幅のある予知の規定を活用して、一定のリスクある申告項目もとりあえず蓋をして、申告しておき、修正申告において予知がないということで過少申告加算税を回避するような行為は困難になるであろうし、事前通知以外において予知していない状況とはどのような状況であるのか、少なくとも従前と比して限定的な状況になるのではないだろうか。


重加算税)
第六十八条 第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。


「重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのも のが隠ぺい仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別 に、隠ぺい、仮装と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要するものである。」


また本件のもう一つの論点である仮想隠蔽の成立であるが、この点もその認定が覆っっている主たる要因は、申告代理人である税理士が預金の出納を確認していない点と、実際に係る金銭が病院費用や葬儀費用にほとんど費消されており、申告財産からの排除を意図していないとの認定である。上記のように、申告行為そのものとその背景にある行為の側面から背信的行為を行っているのかという点の認定を行い、仮想隠蔽の成立を否定している。判断枠組みは特段珍しいものではないが、課税庁の主張を覆すものであり、このような財産の申告漏れにおいて重加算税の賦課を判断する上で、参考となるのではないだろうか。

以上です。 毎度のごとくstockとして作成しているものですので、完成度は低いですが参考までに。

2019年4月5日金曜日

判例裁決紹介(平成29年11月14日裁決、役員の個人的費消と給与該当性)

さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は平成29年11月14日裁決で、法人の役員であった代表者の妻が使用した宝石や服飾品の購入(金額は二年で合計4億円、金額的には特殊な事例として捉えられるかもしれない)が法人の交際費や棚卸資産には該当せず、役員に対する給与の支給であるとして、源泉徴収、法人税法等の更正処分が行われた事例です。

具体的に本件は、請求人法人の代表者の妻であり、請求人の役員であった者が使用した経費支出に対して、当該支出が、二年合計で総額約4億円を超過し、服飾品(エルメスなどのブランド品)や宝石等を購入していた場合において、かかる支出は個人的な費消であり、法人の交際費や貸付けではなく、役員に対する経済的利益の供与であり、もってかかる認定の相違による源泉徴収や法人税の更正処分の是非が争われた事例である。通常は役員たる地位にある者が役員の地位を活用し、自らに帰属するような支出を行った場合は、職務に反するものであり、会社法上の問題であるようにも考えられるが、現実的には、我が国の同族会社が多数を占めるような状況ではかかる点は問題とされることは稀であろうが、本件は上記のように金額も多額であり、調査により指摘された当該支出を後の修正申告において、当該役員に対する貸付けとして処理するなどしている場合でもあり、かかるような支出が如何なるものとして処理されるべきであるのかという点が問題となっているものである。

実際のところ、本件のように、所有と経営の分離が図られていないような法人は、多数存在しており、企業の損金として妥当であるのか疑問であるような経費の支出は実務上は特段珍しいものではないのであろうが(近年は減少しているだろうか、実務家に聞いてみたいところ)、かかるような経費支出において如何なるものを損金として認容することになるのか、多額の経費支出であることが起点となっているものであろうが、このような境界上にある支出に対して如何なる対応を取るべきであるのか、どのような処理を行うことになるのか、消費税負担への影響も含め、実務に携わる者としてはティーチングケースとして参考とすべき事例ではないだろうか。


(給与所得)
第二十八条 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
交際費等の損金不算入)租税特別措置法
第六十一条の四 法人が平成二十六年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の百分の五十に相当する金額を超える部分の金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

4 第一項に規定する交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下この項において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)をいい、第一項に規定する接待飲食費とは、同項の交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第二条第十五号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。第二号において「飲食費」という。)であつて、その旨につき財務省令で定めるところにより明らかにされているものをいう。
一 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
二 飲食費であつて、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用
三 前二号に掲げる費用のほか政令で定める費用

以上のように本件は、法人の役員たる者がなした服飾品や宝石等の購入が、法人の交際費や棚卸商品(この点は、法人の業務とは異なるということで否定されている)としての購入、経費支出ではなく、個人的費消であり、もって役員に対する給与に該当するのかという点が問題となっている。基本的には係る支出の事実関係の認定、当てはめが問題となっている事例であり、特段法令解釈上、従前と整合的なものと考えられる。我が国の実務においては、かかるような法人の役員たる者が公私混同として経費を支出するような事例が多数見られ、租税法務においても、かかるような支出を如何にして租税負担に反映させるべきであるのかという点が争われた来たものであり、本件もかかる点において従来と同様の類型にあるものと評価される。本来ならば、租税法の適用の問題というよりも、ガバナンスの問題であり、上記のように、同族会社が多数を占めるような現況においては実質的には問題とされておらず、金額の大小は相違するもののかかるような費用支出は広範囲に存在しており、当該支出の損金計上を如何にして対応すべきであるのかという点が課題となるものであり、実際においては、下記のように、給与所得としての該当(まず所得税法の給与と法人の給与との整合的であるのかという点は言及されるべきであろうが、法人税法上は役員給与としての該当が問題になるのであろう)、をもって、経済的利益の供与という点をもって役員に対する給与という対応策が一般的であろう。判断においても以下のように、所得税法の給与概念から、役員に対する給与として認定する判断を前提としている。如何なる場合において給与から除外されるのか、かかるような推認の根拠は如何なるものであるのか、というような疑問は存在するものの、給与という認定を所与の前提としている。


所得税法第28条第1項に規定する給与所得は、自己の計算又は危険において独立して行われる業務等から生ずるものではなく、雇用契約又はこれに類する原因に基づき提供した労務又は役務の対価として受ける給付をいい、その給付には金銭のみならず金銭以外の物や経済的利益も含まれると解される。

法人の役員は、役務提供の内容が極めて包括的かつ広範で法人の業務全般に及び、役員に就任していること自体(地位)によって法人に貢献することもその役務提供の一つに含まれ得るものであり、法人の役員が、実質的にの法人資産を自由に処分し得る地位及び権限を有している場合において、当該役員がその意思に基づき、経理上、給与等の外形によらず、法人から利益を得たようなときには、その利益は、当該役員の地位及び権限と無関係に取得したと見ることは相当ではなく、特段の事情がない限り、当該役員の地位及び権限に基づいて当該法人から当該役員に移転したものと推認することができ、給与等に該当すると解するのが相当である。
しかしながら、本件でも主張されているように、かかるような経費支出は、法人の交際費としての金額との対比が問題とされる。本件では、金額も多額であり、また、交際費として贈答に関する立証が不充分であり、もって交際費と給与との間で問題は少ないものと捉えられるが、この区分が課題となるものであろう。基礎なるべき法令解釈としては、単なる一般的な給与にとどまらず、類似の経済的利益の給付をも対象として給与と捉える給与概念と、交際費への立法趣旨にも依拠しているが、幅広くその適用を及ぼし、もって冗費等の抑制を図るべき交際費概念においても幅広い判断枠組みによる実質的な認定が許容されている点が、本件の基礎にあり、両者は目的も相違するものの、判断枠組みとしては、雇用や役員としての起点及び経済的利益の享受等を基礎とする給与概念と、支出の目的を判断の枠組みの中心とする交際費としては、両者は必ずしも明確に判断されるものではなく、両者が交錯する部分において如何にして分類を行うことになるのかその基準が問題となろう。特に役員は経営を委任されており、一般的な被雇用者とは異なり、職務内容において多様な行為が想定され(経営という行為を明確に規定できるものでないだろう)、行為やその背景にある目的が多様である以上、少なくとも役員に対する給与と交際費においては、明示的に職務内容と支出意図の観点からの分類は困難ではないだろうか。

本件判断でも、経済的利益の供与(受領)という点に焦点が当てられており、もちろん、贈答等の立証が請求人において不充分であることも影響しているのであろうが、租税法規においては、その処分においては法による根拠を必要とされることは、租税法規の基本的な要請であり、本件においても広範囲をカバーする給与概念への適用が図られている。いわば経済的利益の存在(享受)に対して焦点が当てられており、多様な状況が想定される支出の目的に依拠するのではなく、単なる個人的費消や実質的な費用性の欠如が問題とされているのではない。法人の行為や役員の多様な職務内容・目的との対比においては、私的な利用等を認定することは困難であって、判断に恣意が介在することは回避し難く、租税法規の基本的な要請として安定性に欠けるものと考えられる。かかる点において経済的利益の享受を基本的なメルクマールとしている点は本件の特徴として強調されてよいのではないだろうか。

また、本件では、請求人の主張として、役員としての給与の支給に関して、法人としての認容を要件とする主張も含まれているが、かかる点は、従前との解釈との対応において整合性が欠けるためであろうか、解釈として否定されている。

以上です。
毎度のごとく論文stockとして作成しているものですので、完成度は低いですが参考までに。