具体的には、
前提として、上記のように、原告と取引先の間で、
実務的には、
本件は、
この点が如何なる根拠に基づくものであるのかという点がさらに、
給与所得)
第二十八条
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性 質を有する給与(以下この条において「給与等」という。) に係る所得をいう。
本件もこの系譜につながるものとして捉えられるべきものであり、 従前と同様に法人の代表者に対する給与概念に該当するとして理解 している点で、新規性を有するものではないが、 裁判例としてこのような違法所得を明示的に所得として捉え源泉徴 収義務があるものと判断した事例としては珍しく、 特に簿外資金に対する貸付けといういわばよくある主張を排して上 記のような給与所得該当性を認め、 源泉徴収義務を有するものと判断している点は、 実質的に二重に処罰しており(実質的という点がキー、 法務的に古典的であるが、二重処罰の問題も観念される) 強い抑止をもつものとして実務的にも参考になるものといえるので はないだろうか。
但し、本件のような金員の発生は、 同族会社のような法人における、 如何に法人の代表者による行為であるとはいえ、 法人と別個の存在である個人が行った行為であり、 行為を法的に評価するならば、 法人に対する損害を与えたものであり、 横領等の行為に該当するものと捉えられる。 法人における損金への違法行為に伴う支出の問題でもあるが、 仮装行為としてこの損金性を否認し、さらに、 当該金員を実質的に管理運営している代表者においては給与所得と して捉えることは、所得税法と法人税法の連動という点からは、 違和感がある、すなわち、損金性を否認していながら、 一方で給与課税を行うことは、対応関係が図られていない。 確かに所得税法と法人税法は別個の法体系であり、 法規として連動が図られるべきものとして想定されていない。 しかしながら源泉徴収義務として法人における問題として理解され る点で、このような金員を如何に評価するのかという点は、 整合性が図られるべきものではないだろうか。
また、従業員等の横領等に伴う損失は、法人税法上、 損金として該当するものとして評価されている。この点もなぜ、 役員や雇用者、被雇用者において、 取扱が異なるのかという点は基本的に同一の犯罪行為に伴う金員の 発生であり、バランスを欠いている。 本件の中心的な争点はあくまでも所得税法、 源泉徴収義務の存在の問題であり、法人の損金の問題ではないが、 一定の行為によって発生した金員に対しては複数の論点が混在して いることは認識されるべきであり、 議論においては分類して議論されるべきものといえるのではないだ ろうか。
おそらくは、我が国の法人において過半を構成する中小企業、 同族会社のような経営と所有が未分離な法人においては、 代表者による行為である場合と被雇用者との行為においては損害の 発生の有無等が異なるものとして認識されていることがその背景に あるものとの理解が、 本件や上記のような損失に対する処理の相違につながっているもの と考えられるが、 旧所得としての該当性はあくまでも上記法文言の解釈によって判断 を行うことが租税法の基本的な要請に合致し、また、 損金としては、別段の定め、公正処理基準の問題であるが、 それぞれ別の問題として問題点が整理される必要があるだろう。
また、本件では問題とされていないが、源泉徴収義務においては、 上記の条文が基礎となっている。 種々の論点が有りうるものであるが、 本件に関連するものとして支払うべき通常の給与等を如何にして捉 えるべきであるのか、という点は法解釈において、上記、 給与所得の範囲と整理され、 源泉徴収義務の範囲を律するものとしてその意義が必ずしも明らか といえないものといえよう。この点も問題である。
さらに、本件では、 事実認定における基本的な判断要素の一つとして、 すなわち簿外資金に於ける経済的利益の性格を決定するものとして 、使用意図・実際の使用状況による認定を行っている。 具体的に本件では、当該金員が代表者の株式の購入・ 土地の購入などの行為に利用されており、 その金員の利用意図が重要な判断要素となって、 かかる簿外資金の金員としての経済的利益の存在、 判断を決定すべきものとして議論されている。 一般的に経済的利益の所得区分の性質決定において、 このような利用意図・ 用途がメルクマールとして機能することが許容されるものであろう か。もちろん利用意図と実際の利用状況・ 用途は区分されるべきものであり、 その性格も異なるものであるが、 我が国の所得の事業所得や給与所得等は、法文の解釈上、、また、 所得の区分の趣旨目的においても、所得の源泉の相違によって、 租税の負担能力の相違があることに起因しており、 具体的な基準としては、 当該経済的な利益の利用意図や用途を一般的に活用しうるものでは ないものと考えられる。しかるに所得区分の判断、 所得の性格の決定という段階においては、 利用意図や実際の用途は一般的な判断基準・ メルクマールとして機能するものと評価することは困難であろう。
我が国の所得税法が幅広い・包括的な所得概念をもって、 幅広く課税所得を構成するものとしていることは周知の事実である が、所得の区分を行う必要があり、 その所得分類を決定する基準は重要である。 この基準を明らかにすることが租税法解釈の重要なテーマであるが 、このような納税者の主観的な意思に基づく、判断、 事実認定を行うことは、必ずしも客観性を有するものとはいえず、 上記のように所得の源泉に基づく、 各所得の該当性判断を行う基準とは整合性が取れていないものとも いえる。
本件では、 当該金員の代表者による返済の意思があることをもって当該金員の 貸付金としての性格の有無に対する主張として行われているが、 このように、経済的利益・金員の利用意図、 利用用途に基づく判断は主観性を帯びるものであり、 事実認定として必ずしも当事者の意思を廃するものではないが、 所得区分の問題ではなく、あくまでも所得としての該当性、、 所得の帰属が如何なるものであるのかという判断過程において、 経済的利益の利用意図や利用用途が考慮されるべきものであり、 具体的な所得の区分・ 分類とは異なる議論であると理解されるべきであろう。
本件のような犯罪に基づく利得が受け手段階において所得を構成す ることは、法的な権利の確定等は存在しないものの、所得概念・ 収入すべき金額の解釈において所得税法の一般的な理解として否定 されるものではないと考えられる。 本件は法人において行われた行為によって発生した金員・ 経済的利益の費用区分が問題になったものではなく、 当該金員が如何なる所得として理解されうるものであるのかという 点が基本的な争点であり、 給与等とその他の所得の区分が一義的には問題となる。 従来より租税法務において、このような金員・ 経済的利益が代表者による利得として認定されていることは、 本件の判断と整合的である。また、 中心的な争点とは相違するが上記のように損金の該当性の問題は基 本的に法人税法の別段の定め及び公正処理基準の問題であるが、 本件のような事実関係においては、簿外の問題であり、 そもそも公正処理基準の枠外として損金性が議論されるものではな い。 加えて公正処理基準はかかる適用を配する性格を有しているのかと いう点(特に違法経費に対して)も議論されるべき問題である。
本件の中心的な争点はあくまでも源泉徴収義務の有無という所得税 法の議論であり、かかる点において複雑化しているものであるが、 このような架空の取引による経済的利益の発生が、 いかなる性格を有しているのかという点は租税法規における他の法 規との重要な相違であることは留意されるべきであろう。また、 所得・利得としての該当性と、所得の区分・ 分類は法理的には別個の問題であり、 この点の整理も必要と考えられる( 本件では貸付金と所得の区分として現れている)。
以上です。 毎度のごとく論文Stockとして作成しているものですので、 完成度は低いですが参考までに。
本件もこの系譜につながるものとして捉えられるべきものであり、
但し、本件のような金員の発生は、
また、従業員等の横領等に伴う損失は、法人税法上、
おそらくは、我が国の法人において過半を構成する中小企業、
第百八十六条
賞与(賞与の性質を有する給与を含む。以下この条において同じ。 )について第百八十三条第一項(源泉徴収義務) の規定により徴収すべき所得税の額は、 次項の規定の適用がある場合を除き、 次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
一
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、 その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
イ その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つ た又は支払うべきその他の給与等(以下この条において「 通常の給与等」という。)がある場合( その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期 間ごとと定められている場合にあつては、 前月中に通常の給与等の支払がされない場合を含む。 次号イ及び次項において同じ。) 前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額( その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期 間ごとと定められている場合には、 その賞与の支払の直前に支払つた又は支払うべきその通常の給与等 の前条第一項第一号に規定する月割額。 次号イ及び次項において同じ。)、 給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る控 除対象配偶者及び控除対象扶養親族の有無及びその数に応じ別表第 四の甲欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に 相当する税額
ロ イに掲げる場合以外の場合 その賞与の金額の六分の一( 当該金額の計算の基礎となつた期間が六月を超える場合には、 十二分の一。次号ロ及び次項において同じ。) に相当する金額並びに給与所得者の扶養控除等申告書に記載された 主たる給与等に係る控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の有無及 びその数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額に六( 当該賞与の金額の計算の基礎となつた期間が六月を超える場合には 、十二。次号ロ及び次項において同じ。) を乗じて計算した金額に相当する税額
二
前号に掲げる賞与以外の賞与 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
イ その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つ た又は支払うべき通常の給与等がある場合 前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額に応じ別表第 四の乙欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に 相当する税額
ロ イに掲げる場合以外の場合 その賞与の金額の六分の一に相当する金額に応ずる別表第二の乙欄 に掲げる税額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
2
賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又 は支払うべき通常の給与等がある場合において、 その賞与の金額が前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の 金額の十倍に相当する金額を超えるときは、 当該賞与について第百八十三条第一項の規定により徴収すべき所得 税の額は、 次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
一
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、 その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与 その賞与の金額の六分の一に相当する金額と当該通常の給与等の金 額との合計額並びに給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主 たる給与等に係る控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の有無及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額と当該通常の給与等の 金額並びに当該申告書に記載された主たる給与等に係る控除対象配 偶者及び控除対象扶養親族の有無及びその数に応ずる別表第二の甲 欄に掲げる税額との差額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
二
前号に掲げる賞与以外の賞与 その賞与の金額の六分の一に相当する金額と当該通常の給与等の金 額との合計額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額と当該通常の給 与等の金額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額との差額に六を乗 じて計算した金額に相当する税額
3
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、 その年最後に支払う給与等が第百九十条(年末調整) の規定の適用を受ける通常の給与等であり、かつ、 当該通常の給与等の支払をする日の属する月に賞与を支払う場合に おいて、 当該賞与を支払う日の現況によりその年中にその居住者に対し支払 うべきことが確定する給与等( その居住者がその年において他の給与等の支払者を経由して他の給 与所得者の扶養控除等申告書を提出したことがある場合には、 当該他の給与等の支払者がその年中にその居住者に対し支払うべき ことが確定した給与等で政令で定めるものを含む。) につき同条の規定を適用した場合に同条に規定する不足額が生ずる と見込まれるときは、 当該賞与について第百八十三条第一項の規定により徴収すべき所得 税の額は、第一項第一号又は前項第一号の規定にかかわらず、 これらの規定による税額と当該不足額に相当する税額との合計額と することができる。
また、本件では問題とされていないが、源泉徴収義務においては、
さらに、本件では、
我が国の所得税法が幅広い・包括的な所得概念をもって、
本件では、
本件のような犯罪に基づく利得が受け手段階において所得を構成す
本件の中心的な争点はあくまでも源泉徴収義務の有無という所得税
以上です。
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