2023年4月15日土曜日
判例裁決紹介(東京地判令和3年4月27日 架空売上と源泉徴収)
さて、また興が乗ったので判例裁決紹介を作成しました。今回は、東京地判令和3年4月27日であり、関連会社への架空売上の計上が調査により否認された事により、もって原資たる金額も存在しないことから原告が受けた給料等は存在せず、源泉徴収された金額等は還付されるべきだとして提起された事例です。
具体的には本件は、建設コンサルタントである原告が代表を勤める法人から報酬を受け取り、もって源泉徴収されたいたが、かかる法人の受け取った売上が、関連会社からのものであって、当該関連会社へ査察調査が入ったことによって、架空経費の計上が否認されたことに対応して、しかるに売上が存在せず、もって報酬等を支払う原資も存在しないとして、社員総会の報酬返還決議をもって、当該報酬は存在せず、源泉徴収された金額は過誤納金であって変換されるべきであるとして還付加算金も加算して約2000万円の返還を求めた事案である。
基本的に査察案件であり、ほ脱犯としての推測がなされるような状況であることは確定的であろうが、本件を最初に読んだときの感想はなぜ?このような訴訟が提起されたのか、という疑問が起こる。基本的には、所得を架空経費の存在を認定させることで、分散し租税負担を免れようとする行為であることは言うまでもないことであるが(本件でも架空であることの是非は争っていない)、本質的には、架空出るのか否かすなわち、取引の真実性を争うべきものであるが、直接的にその架空売上(経費)の存在を争うのではなく、このような間接的な事実関係から、内部的な返還決議(そもそもこれが法的に有効なものであるのかという点も、定かではない。法人の社員総会といえど大規模法人のように一定のガバナンスが機能している可能性は低く、しかるにこのような行為が正当性を持ち得るのかはという点は疑問)を根拠に、源泉徴収された金額の過誤納金としての位置づけをもたせ、還付加算金までも返還すべきとした主張には、驚きが多い。どのような点が背景になっているのか、一連の関連会社間で架空の構造を作り出し、過小な申告を行うことで、コントールしていた事案としては極めて典型的な状況であり、租税法規に知見がある専門家であれば、疑問が多い主張であろう。
判示は、報酬の支払いは有効に成立しており、もって源泉徴収等が過誤納金に該当するという点はその主張を明確に否定したが、返還決議などを根拠とした形での報酬の否定は基本的には、更正の請求や後発事由の問題でもあり、この点から争い方の違和感が拭えない判決である。
本件は基本的には事実関係から、過誤納金であるのか否かという点が基本的な争点となっているものであり、実際にはこのような事実関係をもって租税負担を回避しているような行為が行われているんだという点がよりはっきりと認識されるような事案であるように捉えるべきでだろう。
以上です。毎回のごとく備忘録として作成しているものですので完成度は低いですが参考までに。
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